アルケミスト
◆アルケミスト
右腕に金属製の篭手をつけた男が、幾つかの袋と、
金貨が積み上げられたテーブルを挟んで商人と取引
をしている。男が金貨を1枚、また1枚と積み上げ
て行き、何枚目かの追加の金貨を積んだところで商
人はようやく頷いた。商談が成立したようだ。
金を受け取った商人は袋を押しやると満面の笑みを
浮かべて去っていった。
やれやれと言った感じで肩をすくめた男と君の目が
合った。男は、目の前の椅子を顎で指し示した。
「暇なら一杯付き合わないか?」
君は男の誘いに応じてもいいが、
無駄な時間を費やしたくないというのなら
立ち去ってもいい。
アルケミスト♂「冒険者で賑わう町、ハイ・ラガードか・・・。
困ったものだ。賑わうのは良いが、ここまで物価が上がってはな」
男はため息をついた。
「ご存知の通り、我々アルケミストは、敵の属性を見抜き、
相反する属性の術式をぶつけることで最大の戦果を挙げる・・・。
敵の属性を予測することは戦いにおいて重要だ。
だが、術式を起動するためには、適切な触媒が必要不可欠なのだ。
一仕事終えたのでしばらくはのんびりしようと思っていたのだが・・・
触媒を仕入れるだけで蓄えが乏しくなる始末。
これはまた新たな仕事を探し出さなくてなるまいな・・・。
誰か私に気前良く報酬を払ってくれそうな雇い主を知らないだろうか」
アルケミストの技術に興味があるのなら声をかけてみてもいいだろう。
もう少し丈夫そうな仲間が欲しいなら他をあたったほうがよさそうだ。