ペット
◆ペット
今夜のベッドを求めて、
宿の女主人に話しかけようとしたその時、
なにか柔らかいものが足にあたった。
と、思う間もなく、君の前に巨大な影が立ちふさがった。
身の丈は君を遥かに上回る、
鋭い爪を持つ獣が後ろ足で立ち上がり、
君を睨み付けている!
どうやらこの獣の足を踏みつけてしまったらしい。
君は回れ右して急いで逃げることにしてもいいし、
何が起こるのか様子を見てもいい。
ペットその獣は、再び床に前足をつくと、君に突然額をこすりつけてきた。
様子をみていた宿の女主人が君に向かって微笑んだ。
「その子はね、怖がる人もいるけれど、すごく優しい子なんだよ。
人を襲うことは絶対にないしね」
獣はその丸い瞳で君を覗き込むと、今度は鼻を押し付けてきた。
「実はその子の主人は、樹海で命を落としたんだ。
でも、その子はずっとここで帰りを待ち続けてる。
獣は、一度主人と認めた相手には、最後まで忠誠を尽くすから・・・。
もし、樹海の中で、あんたを慕ってくれるような獣を見つけたら
ペットにすることを考えてみてもいいかもしれないね。
きっと、心強い助けになると思うよ!」
君はここで"ペット"について学ぶことが出来た。
この知識が役に立つ日が来るかもしれないからきちんと覚えておくことだ。