ダークハンター
◆ダークハンター
タイトな革のドレスに身を包んだ金髪の女が、
テーブルで酒を煽っている。
その華奢な腰には、巨大な鞭がさげられていた。
君の視線に気づいたのか、
女はふと酒の器から顔を上げた。
「ちょっと、そこのあんた!
暇なら付き合いなさいよ!」
君はこの女の誘いに乗って酒につきあってもいいが、
面倒なことになりそうだと思うのなら
急いで回れ右してもいい。
「樹海の奥で、でっかい怪物に襲われて死を覚悟したあの日、
一緒にいたのは、将来を誓い合った人だった・・・」
女は酒を一息に飲み干すと、ため息をついた。
「とにかく、この人だけは助けよう、って。
だから、あたし、体張って命賭けた。
でも、あの人はとうに逃げ出しちまってたのさ」
女は空になった器に、また酒を注ぐ。
「ほんと、男を見る目がなくて嫌になるよ。
どこかにいないもんかねえ・・・。
あたしの背中を任せられるような人が、さ」
君は、自分がそうだと言うのなら名乗りをあげてもいい。
そんな重荷には耐えられそうにないというのなら他をあたれ。