メディック
◆メディック
あわただしく酒場の中に入ってきた女の子と
肩がぶつかった。
「ご、ごめんなさい! け、怪我はありませんか?
やだ、私ったら、ちょっと急いでて・・・。
あれ?! 薬が! 薬がないっ!」
あわてふためく彼女にどうしたのか
尋ねてみてもいい。
面倒なことに巻き込まれたくないというのなら
急いで立ち去った方がいいだろう。
女の子は必死に鞄の中を探していた。
「この酒場に届けるよう言われてきた薬が見つからないんです。
あの薬は、樹海でとれる材料がないと作れないのに・・・。
メディックの仕事は、怪我をした人たちの傷を癒すこと。
それなのに私ったら・・・。
どうしよう・・・。
とても一人じゃ、
材料をもう一度探すことなんて出来そうにないのに・・・」
君は彼女の護衛を引き受けてもいい。
困っている人を見捨てて先を急ぐのも、また一つの選択だ。