パラディン
◆パラディン
亜麻色の髪を腰までたらした美しい女性が
一人、酒場のテーブルに姿勢を正して座っている。
分厚い鎧を着込んではいるが、
鎖かたびらをまとわりつかせた脚は対照的に細い。
鎧で大部分を隠してはいるものの、
彼女の体は意外と華奢なのかもしれない。
脇に携えている大盾に刻まれている紋章は見覚えがないものだ。
しかし、そのまなざし、立ち居振る舞いから
彼女がただものではないことだけは伝わってきた。
君と視線が交わった彼女は、小さく会釈をした。
君は彼女に話しかけてもいいし、このまま立ち去ってもいい。
「実は、はぐれてしまった仲間を探しているんです。
樹海の奥で怪物に襲われた私たちは
必死で戦ったんですが最後は散り散りになってしまって・・・」
彼女は少し俯くと、しばらく押し黙った。
「私たちパラディンの仕事は、身を挺して仲間を守ること。
でも、守りきれなかった。行方も、わからないんです。
・・・もし、あなたが樹海へ行くというのなら
私を連れて行ってくれませんか。
ほんの少しでも、仲間を探せる可能性があるのなら
それに賭けたいんです」
彼女の真剣な態度に心を打たれたのなら仲間に加えてもよい。
彼女の仲間の安否に興味がないというのなら断るのも手だろう。